恩師との出会い

Column

ここまで辿り着いてくれて本当にありがとうございます。

皆様は私の高校時代に、少し興味を持っていただけた方々でしょうか。私には興味がなくても、私の恩師はほんとうに人格者だと思いますので、何か持ち帰っていただけると嬉しいです。

さて、以前のページでは私の高校野球生活について記しました。

高校入学当時はどん底だった私が、甲子園優勝時のベンチ入りを果たし、3年生の時には副キャプテンとしてレギュラーを掴み取った背景には、恩師との出会いが大きく関係しています。

高校2年生の時の関東大会

恩師に出会う前の私

高校に入学する前までの私は、前のページでもあったように完全にお山の大将です。

特に自主練習をしなくても主力選手でしたし、野球の能力で困ったことは特にありませんでした。ただそれはチーム内だけの話であり、チーム外を見るとすごい選手は数多くいました。普通ならその選手より上手くなりたいという心理が働くはずですが、その当時は全く気にもしていませんでした。

練習態度

今思えば本当に最悪だったと思います。

皆様の同僚でもいませんか?

少し能力のある人材で、自分のことにしか関心がなく、態度もでかいし他ごとは何もしない。はっきりいうと組織の害悪。チームの目標達成を妨げる本当のブロッカー。けど、社内では少し能力があるがゆえ、その人の機嫌を取ることに必死で結局は頼るしかない状況。(だいぶ厳しく書きましたが、おそらくこのような感じだったと思います。)

私の中学校のクラブチームでは毎年監督から、一言添えた年賀状が届きます。

中学2年生の時に届いた年賀状には「あなたの練習態度にはがっかりです。見直してください」とありました。

それもそのはずです、しんどいランニングやトレーニングは手を抜きサボることばっかり考えてました。他方で、得意なバッティング練習は好き勝手バットを振り回して出しゃばっていました。。。笑(ボールも拾いはもちろんサボる・・。)

ポコ
ポコ

相当態度悪かったみたいだね・・。

野球への考え方

上手な選手が正義、実力主義、能力が全て。そう思っていました。

そのため、野球への考え方や取り組む姿勢もおろそかで雑な選手でした。

大人になるにつれて教養や当たり前が備わり、そのような考え方は是正されていきます。ただ、小学生・中学生の頃は、その当たり前を理解するのは困難です。正直なところ、中学生段階で両方備えている選手は見たことがありません。必ずがどちらに偏っています。(反抗期も重なるから仕方ないと言えば仕方ないかも)

そんなこともあり、私には野球だけやればいいという考えが根付いていました。

ゴミ拾いやボール拾い、道具整理や雑草抜きなど、野球の能力向上に直接寄与しない部分をかなり適当に考えていました。

もちろんチームメイトはその姿勢を見ています。

打てなかった時、ミスをした時、私のせいで試合に負けた時、チームメイトはどう思っていたのでしょうか。今考えただけでゾッとします。

恩師に学んだ「野球に取り組む姿勢」

前のページでもあった通り、入学当初の高校生活は最悪でした。周りとの実力差に幻滅し、完全に希望を失っていました。

ただ、こんな私が成長した背景には恩師の存在、「門馬監督」のおかげと言っても過言ではありません。

私は門馬監督からの厳しい指導を受け、根本から鍛え直していただきました。そのおかげで、野球の能力も上がりましたし、今の行動指針にもなっています。

高校2年生時の冬季練習

野球は人間がやるスポーツ

当たり前だろ?そう思うかもしれませんが、これこそが全てです。

これには、「野球の能力だけではなく、考え方や取り組む姿勢が何よりも大事」という思考が背景に流れています。

どんなに上手くても練習態度が悪い選手、どんなに上手くても練習しない選手。このような選手は短期的にいい結果を残せたとしても、長期的には満足いく結果を残せないことが多いです。

例えば、プロ野球のドラフト会議で上位入団した選手が期待通りの結果を残さず、数年後にはクビになっているケースです。

反面で、ドラフト下位選手や育成選手でもレギュラーを勝ち取り、成功を収めている選手もいます。下記は、つい最近開催された23年のWBCドラフト下位選手です。

戸郷 翔征投手(巨人・聖心ウルスラ出身)18年巨人6位

湯浅 京己投手(阪神・聖光学院出身)18年阪神6位

宇田川 優希投手(オリックス・八潮南出身)20年育成ドラフト3位

甲斐 拓也捕手(ソフトバンク・楊志館出身)10年ソフトバンク育成6位

中野 拓夢内野手(阪神・日大山形出身)20年阪神6位

牧原 大成内野手(ソフトバンク・城北出身)10年ソフトバンク育成5位

周東 佑京外野手(ソフトバンク・東農大二出身)17年ソフトバンク育成2位

このようなことから、現時点の能力が今後全ての結果を決めるわけではないことがわかります。

参考例はここまでにしてと、、、。

このような思考を持つ監督のため、野球の技術面より内面(姿勢・態度)の方で指導を受けたことの方が圧倒的に多いです。

 ・グラウンドはだらだら歩かずダッシュしなさい

 ・監督やコーチ等に気づいたらどんなに遠くても大声で挨拶しなさい(見て見ぬ振りしない)

 ・ゴミが落ちていたら拾いなさい

 ・大きな声で返事しなさい

 ・練習で手を抜いたら本番に結果として返ってきます

 →練習の辛さより試合で結果出ないことの方が辛いよ

 ・人が見てる時に練習するのは当たり前、見ていない時にどれだけやるか

 ・自主練習こそがライバルと差をつける一歩

 ・人が休んでいる時にどれだけ練習するか

 ・常に勝つことを考えろ など。。。

これは今思い出した抜粋ですが、そのほかにも数多くあります。

もちろん野球部の監督なので、ボールの打ち方や投げ方の指導もありますが、振り返ると多くは内面での指導ばかりです。

野球に取り組む姿勢や人間としての本質。それが全てでした。

人間としてどう成長するかが、野球選手として成長することにつながる、と。

これは、ビジネスでも他でも当てはまる事だと思います。

今の人生に生きている3つのこと

3年間さまざまな学びがありましたが、①やり切る力、②俯瞰力、③人間力、この3つに関しては今を生きる上でかなり活きています。少し具体的に話します。

やり切る力

この力は高校3年間でかなり培われた能力でもあります。

チームや自らが立てた目標に対して、必ず達成するということ。勝てる戦略を練り、必死にトレーニングし、負けないスキルを築く、この一連のプロセスを高校生の時にしっかり学び、体現できたことはかなり大きな経験だと感じています。

高校生の時を例にとると、自分より能力がある選手に勝つためにはどうしたらいいのか?勝つためには、「自分の強みを客観視してどの強みを伸ばすべきなのか、自分はチームに何を求められているのか」を自分なりに思考し、戦略を立て、ライバルに勝つために誰よりも練習する。

当時は、日が回るまでバッティング練習をしたこともあるし、毎日の自主練習は欠かさずやっていました。

目標達成のための継続力は、当時の経験から染みついたものでもあると思います。

下の写真は、私が高校3年間毎日付けていた野球ノートの一部です。

高校2年時の野球ノート
高校3年生時の野球ノート
高校1年生時の野球ノート(入学当初)

俯瞰力

上記のやり切る力でも「自分の強みを客観視し」と述べたとおり、物事を俯瞰して見るという能力もかなり身につきました。

これは、私が高校野球で「キャッチャーを守っていた」ということに起因します。

キャッチャーを守るためには、「目配りや気配り」が必要と言われるように、かなりの視野の広さが求められます。

例えば配球を考えるにも、バッターの面では立ち位置、構え、表情や仕草を見ます。ピッチャーの面では、そのピッチャーの得意不得意なボール、仕草、メンタルを見ます。状況面では、点差、欲しい結果(三振、ゲッツー、フライアウトなど)、守備力などを見ます。

1対1の単なる勝負ではなく、さまざまな情報を客観的にキャッチアップして、最適な選択をすることを求められます。

そんなこともあり、今目の前で取り組んでいる1つの物事に対しても、この面からはどうなのか?こうは考えられないのか?など、ある程度は多面的に見れるようになったのではないかと思います。(まだ、未熟ではありますが)

高校3年生時の夏体

ただ、物事を俯瞰的に見る癖がついていることもあり、何か冷めている気がすることもあります。冷静な反面、情熱的な態度を示すのは苦手かもしれません。何事もバランス大事。

人間力

やはり一番はこの力です。

野球にしろ、仕事にしろ、人と関わるにしろ、根本には「人として」という本質的な部分が大事になると思います。

門馬監督に出会う前の私を見ていただけばわかるとおり、相当ひどい人間だったと思います。もし仮に、この状態のまま社会に出ていたらどうなっていたのか。考えるだけでもゾッとします。

ビジネス上でも人と人と関わりが全てだと若造ながら感じています。

その関わりがどんどん大きくなることで、ビジネスも企業規模も大きくなるものだと思います。

人間は1人では何もできない。たとえ従業員1人の企業でも顧客や取引先がいます。日常生活でも飲食店の定員がいたりと、人と人とがつながりあってできています。

その中で、高校生の時に態度や姿勢など、大人になってあまり指導を受けられない部分を、かなりみっちりと学べたのはかなり良い経験だったと思います。

何かの本で、「自分のお葬式の時でどれだけの人が涙を流してくれるか」がその人の価値。というふうに書かれていました。

どれだけ能力があろうと、自分の最後の時に誰も涙を流してくれない、もしくは誰も来てくれない、となったら悲しいですよね。


簡単にではありますが、私の恩師の話をさせていただきました。

たった3年間の学びではありましたが、かなり多くのことを学びました。私を根本から変えていただき、そのおかげで少しはまともな人間になれたと思っています。

人生まだ4分の1。これからさまざまな経験や出会いが訪れようかと思います。その中で、私の考えの軸を構築できたことは本当によかったです。

読者の皆様にとっても参考になる部分はありましたでしょうか?

これは単なる私の言葉ではなく、私の恩師の言葉として胸にしまっていただけますと幸いです。

高校2年生時の神奈川県大会優勝後の表敬訪問

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